地球温暖化防止への取り組み

地球温暖化防止に向けた方針・体制

近年多発している、地球温暖化が原因とみられる異常気象(暴風雨、洪水、干ばつ等)による被害について、グローバル経済リスクとしての危機感が強まっています。
当社は環境方針に基づき、事業・事業所ごとに明確な目標を掲げ、CO2排出削減を着実に進めるとともに、低炭素社会実現に貢献する製品やサービスの開発・提供を積極的に推進しています。
セメント事業はエネルギー起源のCO2に加えて、主原料である石灰石が熱分解によってCO2を排出することもあり、温室効果ガス排出に対する規制(排出量取引制度等)が強化された場合には、相応の財務リスク発生の可能性があります。一方で、省エネ・CO2排出削減に貢献する技術や製品の需要が増えることが予想され、ビジネス機会が拡大する可能性もあります。また、異常気象に伴う豪雨・高潮による被害の防止対策にも積極的に取り組んでいます。
こうした地球温暖化問題に関連するリスクとビジネス機会への戦略的取り組みについて、経営会議メンバーにより構成する「地球環境・エネルギー委員会」が、包括的かつ中長期的な視点に立って主導しています。2018年度はインターナルカーボンプライシング制度の導入の方法について、検討を進めることとしました。

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地球温暖化防止と循環型社会構築への総合的な取り組み

当社グループは、「ユニークな技術により、人と社会と地球のために新たなマテリアルを創造し、循環型社会に貢献するリーディングカンパニー」というビジョンを示しています。このビジョンを踏まえ、また持続可能な社会の実現という高い次元の目標を視野に入れ、温暖化防止に関する目標と、循環型社会に貢献する分野の目標とを組み合わせて設定し、総合的な取り組みを進めています。

2020年に向けた目標と2017年度の達成実績

※達成度については、次のとおり定めています。
2020年目標の達成に向けた2017年度末達成目安に対し、☆☆☆☆:100%以上、☆☆☆:80%以上、☆☆:50%以上、☆:50%未満。

【セメント事業】 全事業所(青森、岩手、横瀬、九州、東谷)

省エネ設備の着実な設置によりエネルギー効率を高める。また、他産業の廃棄物等のセメント代替原材料化を推進する。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位1.2%削減
(2010年度比)
実績/達成度:
2010年度比
1.9%増
(達成目安
0.7%削減)
☆
目標:
廃棄物・副産物の代替使用原単位435kg/t
(基準:406kg/t)
実績/達成度:
436kg/t
(達成目安431kg/t)
☆☆☆☆
目標:
熱エネルギー代替率2%増
(2010年度比)
実績/達成度:
1.8%減
(達成目安1.3%増)
☆

【金属事業】 直島製錬所

銅製錬設備において、高効率設備導入や排熱回収設備等の更新・設置により、エネルギー効率を高める。また、海外でのE-Scrap発生量増に対応、前処理施設を増強し、リサイクル事業を強化する。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位年1%削減
(最終的に2005年度比14%削減)
実績/達成度:
2005年度比
0.3%増
(達成目安
11.4%削減)
☆
目標:E-Scrap処理量
10万t/年超
実績/達成度:
8.5万t/年
(達成目安
10.6万t/年)
☆

【金属事業】 堺工場

伸銅品素材、銅合金、銅加工品の製造工程において、各設備を省エネタイプに更新していく。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位年1%削減
(最終的に2005年度比14%削減)
実績/達成度:
2005年度比
0.7%増
(達成目安
11.4%削減)
☆
目標:廃油・廃酸40%削減
(2005年度比)
実績/達成度:
212%増
(達成目安
32%削減)
☆

【加工事業】 筑波製作所

超硬切削工具の製造工程で、空調用冷温水機等を省エネタイプに更新するとともに、生産設備全体の効率改善を行う。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位20%削減
(2005年度比)
実績/達成度:
2005年度比
16.2%増
(達成目安
16%削減)
☆
目標:
スクラップ発生率40%削減
(2009年度比)
実績/達成度:
20.7%削減
(達成目安
29.1%削減)
☆☆

【加工事業】 岐阜製作所

超硬切削工具の製造工程で、圧縮空気設備を更新し、漏水対策による液体廃棄物削減や環境対策製品の開発にも注力する。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位15%削減
(2005年度比)
実績/達成度:
2005年度比
30.2%削減
(達成の目安
12%削減)
☆☆☆☆
目標:
産業廃棄物指数(生産金額当たりの産廃排出量)を中期計画ごとに設定し、その100%達成を継続
実績/達成度:
2012年度基準値比25.3%削減
(達成目安
24.2%削減)
☆☆☆☆
目標:
中期計画ごとに定める環境調和製品の認定件数の達成を継続
実績/達成度:
開発テーマ終了案件(目標1件)
→CFRP加工用ドリル/MCシリーズ1件
☆☆☆☆

【加工事業】 明石製作所

超硬切削工具の製造工程で、TPM活動によるロスの削減、排水工程の改善を実施する。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位10%削減
(2010年度比)
実績/達成度:
2010年度比1.0%削減
(達成目安
8%削減)
☆
目標:COD負荷量
1t/年以下
実績/達成度:
0.591t/年
(達成目安
0.815t/年)
☆☆☆☆

【電子材料事業】 四日市工場

シリコン製品の製造工程において、冷凍機等を省エネタイプに更新するとともに、加工排水処理工程の改善も進める。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位年1%削減
(最終的に2005年度比14%削減)
実績/達成度:
2005年度比1.6%増
(達成目安
11.4%削減)
☆
目標:産業廃棄物排出原単位(t/t-製品)
56.3%削減(2005年度比)
実績/達成度:
50.0%削減
(達成目安
47.8%削減)
☆☆☆☆

【電子材料事業】 セラミックス工場

電子デバイスの製造工程において、空調設備等を省エネタイプに更新する。また、二輪車用温度センサーの商品化を実現する。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:CO2原単位30.8%削減
(2005年度比)
実績/達成度:
2005年度比45.8%削減
(達成の目安
28.7%削減)
☆☆☆☆
目標:環境対策製品件数
年1件以上
実績/達成度:
年1件以上→4件/年
(センサー:2 サージアブソーバー:1 
アンテナ:1)
☆☆☆☆

【電子材料事業】 三田工場

機能材料の製造工程において、冷却水設備等を省エネタイプに更新する。また、高効率インバータ用次世代部品の開発も進める。

地球温暖化防止 循環型社会構築/環境貢献
目標:
エネルギー原単位年1%削減
(最終的に2005年度比15%削減)
※本工場が対象
実績/達成度:
2005年度比30.4%削減
(達成の目安
16%削減)
☆☆☆☆
目標:高効率インバータ用次世代部品の開発(製品使用時のCO2排出量削減効果2008年度比3倍以上) 実績/達成度:
1.9倍
(達成の目安
2.8倍)
☆☆

エネルギー原単位の推移(単体)

エネルギー原単位の推移(単体)

温室効果ガス排出原単位の推移(単体)

温室効果ガス排出原単位の推移(単体)

* エネルギー原単位は、日本の省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)の下で定められている定期報告書作成要領に従い算出。当社は事業内容が多様なため、事業毎に「エネルギーの使用と密接な関係を持つ値」を設定し、計算式の分母として使用しています。各事業のエネルギー原単位の対前年度比と、各事業で使用するエネルギーの全社に占める割合とを掛け合わせて事業別の寄与度を求め、その合計が全社の原単位(前年度比)となります。温室効果ガス排出原単位も同様に算出しています。

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2017年度の削減活動

2017年度における目標達成状況について

「地球温暖化防止」目標の達成度については、9つの設定単位のうち、3つが2017年度達成目安の100%以上となり、残りは50%未満でした。
「循環型社会構築/環境貢献」目標については、全11項目中、5項目が100%以上であり、残りの3項目は50%未満でした。
達成度が50%未満になった理由の多くは「外部環境を含め、操業条件が目標設定時の想定から変更となった」ことによるものでした。達成度が低い事業所では、目標達成に向けた対策を検討中です。

各事業における主要な取り組み

当社の製造事業所・工場は、徹底した省エネルギーの追求を重要課題と捉え、省エネ活動を進めています。
具体的には、燃料の見直し、未利用エネルギーの利活用、工程・設備の改善、高効率機器の導入、機器仕様の適正化、設備運転制御・操業形態の見直し等の視点で活動を行っています。本社・支店・営業所や、研究所等の小規模な事業所でも、LED照明導入等の省エネの取り組みを継続しています。

セメント事業

粉砕機の適正保守、排熱発電設備の保守見直し、電気機器の高効率化、照明のLED化等による電力消費量削減、熱エネルギー代替資源の使用量増加、焼成設備の省エネ改造に取り組み、エネルギー利用効率の向上を図っています。

金属事業

コンプレッサ関係設備の省エネ、変圧器・モーターの高効率化、照明のLED化等による電力消費量削減、各種炉の操業見直しによる重油消費量削減に取り組み、エネルギー利用効率の向上を図っています。

加工事業・電子材料事業

水ポンプ制御の改善、空調・冷凍設備、コンプレッサ関係設備の省エネ、高効率電気機器の導入、照明のLED化、各種処理工程の改善等による電力消費量削減、ボイラー・廃熱回収設備の最適制御等に取り組み、エネルギー利用効率の向上を図っています。

エネルギー起源CO2排出量の推移(単体)

エネルギー起源CO2排出量の推移(単体)

* 非エネルギー起源のCO2排出源は原料等で使用される石灰石が主要なものですが、代替や削減が困難であることから、省エネルギーを通じた削減努力が確認できるエネルギー起源CO2排出量を対象としています。

温室効果ガス総排出量(単体+主要連結子会社)

温室効果ガス総排出量(単体+主要連結子会社)

2017年度温室効果ガス総排出量内訳[千t-CO2e]

分類 単体 国内グループ 海外グループ
合計 8,098 1,660 2,047 11,805
SCOPE1
(直接)
エネルギー起源
(燃料等)
2,924 563 768 4,255
非エネルギー起源 プロセス 4,143 194 692 5,029
廃棄物 418 267 30 716
その他ガス 20 35 5 60
(参考)非エネルギー起源合計 4,581 496 727 5,805
小計 7,505 1,059 1,495 10,060
SCOPE2
(間接)
エネルギー起源(電力等) 593 600 552 1,745
(参考)エネルギー起源合計 3,517 1,163 1,320 6,000
  • * 「グループ会社」は連結子会社129社(国内66社、海外63社)を含んでいます。
  • * 「温室効果ガス排出算定・報告マニュアル」Ver.4.3.2 によりデータを算出しています。
  • * 「SCOPE2(間接)」は市場別(market base)排出量を表示。地域別(location base)では1,750[千t-CO₂e]

第8回エコ・コンテスト

当社グループは、各事業所における地球温暖化防止や資源循環・環境保護に貢献する活動を促進するための表彰制度として、2010年度より実施しています。2017年度の表彰結果は以下のとおりです。

最優秀場所賞(ユニバーサル製缶(株)富士小山工場)

環境負荷の低減を追求するために「省エネ推進」「環境汚染予防」「廃棄物管理」を環境重点取り組みテーマとして精力的な活動を展開しています。具体的には、照明のLED化等による省エネ活動や、金属くずの有価物化等によって廃棄物削減活動を積極的に推進し、それぞれの活動において目標を達成、工場全体のエネルギー原単位や廃棄物原単位の削減について成果を上げました。

最優秀活動賞(三菱伸銅(株)三宝製作所)

専門スタッフと現場スタッフで構成する省エネ委員会(所内)が主体となり、投資対効果を十分議論した省エネテーマを抽出し活動しています。所内省エネコンテストの実施等による種々な省エネ活動(ファン・ポンプのインバータ化、ガス設備の老朽化更新、設備廃熱の回収利用、水冷焼鈍工程の空冷化)に取り組み、それぞれの活動において目標を達成しました。このような全員参加型の活動を通じ省エネ意識・コスト意識の向上も図られています。

物流における取り組み

2017年度の当社物流におけるCO2排出量は、単体では43,910t(前年比482t増)、連結*1では77,320t(前年比358t減)となりました。また、エネルギー消費原単位*2は、単体では15.95kl /百万トンキロ(前年比0.5%悪化)、グループ全体では19.87kl /百万トンキロ(前年比0.2%悪化)となりました。
今後も、モーダルシフトやトラック輸送効率の改善に努めるとともに、グループ全体での物流最適化を通じて、物流環境負荷低減に努めます。

  • *1 連結算定対象は、国内グループ会社のうち、排出量全体の90%以上を占める特定荷主である6社です。
  • *2 使用エネルギー量を原油量換算(kℓ)し、輸送トンキロ(百万トンキロ)で割った値。

輸送モード別CO2排出量の推移[t-CO2]

  2016年度 2017年度
単体 グループ会社*1 単体 グループ会社*1
総量 43,428 34,257 43,910 33,410
トラック 8,224 26,459 8,694 26,246
鉄道 1 32 35,154 7,137
船舶 35,143 7,766 1 28
航空 59 0 61 0

CO2回収・地中貯留に向けて

写真苫小牧実証試験のCCS概念図

写真CO2回収プラント

画像及び写真提供:日本CCS調査(株)殿

当社グループは、生産活動等で生じたCO2を大気に放出せずに分離・回収して地中に貯留する技術(CCS)に着目し、創業当初から培ってきた地下構造の評価における優れた技術や人的資源を活かしています。
経済産業省主導のもと2008年5月に設立された日本CCS調査(株)に当社は出資し、同社を通じて、苫小牧CCS大規模実証試験、二酸化炭素貯留適地調査事業に参画しています。
また、2016年度からの環境省の環境配慮型CCS実証事業では、CO2貯留の評価検討に貢献しています。

CO2を利用した藻類由来のバイオプラスチック実用化に向けて

写真太陽光とセメント工場から放出されるCO2を用いた藻類培養(光合成)の様子

写真試作した藻類バイオプラスチック

写真提供:国立大学法人筑波大学殿

この技術開発は、国立大学法人筑波大学を代表事業者として、環境省「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」に採択されており、2021年度内を目標に藻類由来の高機能性バイオプラスチックの実用化を目指します。
CO2発生源としてのセメント製造工程とCO2を効率的に固定化する藻類培養プロセスを連携させて、高機能なバイオプラスチック製造技術を構築し、放出するCO2を利用したバイオプラスチックが実用化できれば、石油合成系プラスチックの代替品となり、低炭素・循環型社会に貢献できます。
当社は、筑波大学、藻バイオテクノロジーズ(株)、日本電気(株)と連携し、本技術の実用化に向けた共同開発を開始しました。

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