社有林の持つ多様な価値とポテンシャル

社有林が中長期的に社会にもたらす価値をできるかぎり大きく、豊かなものとするために、広い視野からの取り組みを行っています。

社有林がもたらす価値:循環型社会への貢献、地域社会への貢献、低炭素社会への貢献、生物多様性の保全

1. 循環型社会への貢献
〜再生可能資源である「木材」を社会に供給〜

木材は優秀な再生可能資源のひとつです。「資源林」を中心に木材生産を行い、社会に木材を安定的に供給することで、循環型社会の構築に寄与しています。
資源林では、持続可能な森林経営に向けて森林の林齢構成を平準化し、一定の伐採と植栽を繰り返すことで、木材を長期的に安定して供給できるように努めています。また、良質な木材を低コストで生産するため、樹種ごとに当社独自の施業基準を策定し、80年にも及ぶ長期的な施業計画を立てています。自然は常に変化しており、当初の計画通りにいかないことも多々あることから、5ヵ年ごとの森林経営計画の策定に合わせて山林全体の現況調査を行い、臨機応変に計画を見直し、改善策を実行することで、目標とする森林の姿へ近づけています。

調査の様子

調査の様子調査の様子

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2. 地域社会への貢献
〜地域の方が安心でき、豊かな自然と触れ合える森に〜

社有林は会社の資産であると同時に、その地域を形成する重要な環境要素のひとつでもあります。適切に森林を管理することで、水源涵養機能、土砂流出防止機能等の公益的機能を高め、地域の災害防止に貢献しています。
また、都市近郊に位置する社有林は、地域の皆様に自然環境を身近に楽しんでいただける「環境林」として位置付け、その一部を開放しています。札幌市手稲区に所在する手稲山林は、市中心部からの交通アクセスが良好な場所にありながら、豊かな森林が残存することから、札幌市に対して札幌市市民の森、自然歩道、青少年キャンプ場といった用途で一部を提供しています。また、地元NPO団体「手稲さと川探検隊」が主催する自然体験活動や、地元小学校のスキー学習の場として、あるいは大学等の研究機関の研究フィールドとしても開放しています。こうした地域の皆様に、より有意義に社有林を活用していただけるよう、それぞれの用途に適した環境に維持することも大切です。混み過ぎて日が差さず暗い林は間伐により林内を明るくし、倒木の危険がある枯木等を見つけたときは速やかに除去し、林内の安全な場所に移しています。また、雪解けや雨の後に、自然歩道でぬかるみ等、歩きづらい場所が生じた場合は、利用者が安心して歩けるようにするため、木材を敷き詰める等の路面整備も行っています。
地域の皆様に森の大切さ、楽しさを知ってもらうための取り組みとして、社有林での植樹祭も開催しており、植樹を行った場所は今後も下刈等の保育作業を通じて地域の皆様とともに見守り、立派な森へと育てていきます。今後はこうした積極的な取り組みも通じて地域の皆様が森林に触れる接点を増やし、地域の中に三菱マテリアルの森がより一層価値あるものとして根付くよう努力していきます。

イタヤカエデの樹液採取を体験(手稲山林)イタヤカエデの樹液採取を体験(手稲山林)

そり遊び(手稲山林)そり遊び(手稲山林)

自然歩道のぬかるみを整備(手稲山林)自然歩道のぬかるみを整備(手稲山林)

育樹祭を開催(手稲山林)育樹祭を開催(手稲山林)

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3. 低炭素社会への貢献
〜CO2の固定〜

森林の持つ重要な公益的機能のひとつにCO2の固定機能があります。当社は、日本国内有数の大規模森林所有者として、持続可能な森林経営を着実に行い、樹木の有するCO2の固定機能を最大限に高めることを通じて、地球温暖化の防止に貢献しており、当社社有林のCO2固定量はおよそ5.4万t/年(国民約2万6千人分)と試算されます。
森林のCO2固定能力は、若齢から中齢期にかけてピークを迎え、中齢期を過ぎると徐々に落ちていきます。そこで、適切なタイミングで収穫し、新たな植栽により再び森林を育てることで、森林のCO2固定能力を長期的に維持するよう努めています。
伐採された木材は、引き続き木材内部にCO2を留めます。特に、建築材のように長期にわたって使用される木材は、より長期間CO2を固定しておけるため、カラマツやスギ等の主力人工林樹種を中心に建築材等として利用可能な優良材を安定的に生産することで、効果的なCO2固定に寄与しています。

  • * 試算値の求め方: 成長量(m3)×材容積重(t/m3)×炭素換算率×樹幹に対する木全体比×二酸化炭素分子量/炭素分子量

カラマツ林カラマツ林

樹齢と炭素吸収・排出量との関係図* 独立行政法人森林総合研究所資料を一部加工して引用

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4. 生物多様性の保全
〜より多くの生物が生息できる環境を維持するために〜

社有林は多様な生物のすみかでもあるため、木材生産等のさまざまな活動が生物の生息環境に悪影響を及ぼさぬよう細心の注意を払っています。
尾根林・河畔林等、生物の移動・生活空間として重要な場所は禁伐としていることに加え、木材生産を行う区域であっても大面積での皆伐は避け、皆伐地が連続しないように分散させることで、林内の環境の多様性を維持しています。また、伐採後に完全な裸地をつくらない「複層林施業」や針葉樹林に積極的に広葉樹を取り込むことで林内の構造を多様化させる「針広混交林施業」を一部で導入することにより、生物多様性の保全に繋がる施業方法も試行しています。
また、日常的に動植物のモニタリング活動も実施しています。社有林を巡視する際に見かける動植物を記録するほか、定点植物調査地を設けて植物の変遷を確認したり、定点撮影カメラを設置して動物の生息状況を把握したりしています。また、間伐等を行う際には、伐採前後で動植物に異常が生じていないかモニタリング調査を行っており、事前に希少動植物が生息していることが判明した場合には、影響を最小限にできる時期に伐採作業を実施する等の配慮にも努めています。
生息を確認した希少動植物種(環境省や北海道が定めるレッドリストにある上位危惧種)は、「三菱マテリアル社有林希少動植物レッドリスト」として取りまとめ、林内へ立ち入る関係者に注意喚起をしています。

日常モニタリング日常モニタリング

動物撮影用定点カメラ動物撮影用定点カメラ

エゾクロテンエゾクロテン

クマゲラクマゲラ

サクラマスサクラマス

クリンソウクリンソウ

カタクリカタクリ

生物多様性の維持・向上方針

  1. 各個別山林の生物多様性の維持・向上のため、自力または適当機関に依頼し、植生・生息動物の調査を行い、その結果を踏まえ、個別の社有林管理経営計画書において生物多様性の保全計画を規定する。
  2. 上記植生・生息動物の調査は、皆伐を実施する資源循環利用林を優先する。
  3. 上記植生・生息動物の調査結果は、個別社有林管理経営計画書でのゾーニングにおいて、最優先で考慮する。
  4. レッドデータブックに記載がある動植物については、保護計画を策定する。
  5. 沢地、沼地等の水辺林については、個別社有林管理経営計画書でのゾーニングにおいて全て生物多様性保全区域とし、原則森林施業は行わない。水辺林の保全区域の幅は、地形等を考慮し個別に決定するが、凡そ片側10m程度は確保するものとする。
  6. 天然生林については原則的に水土・生態系保全区域と択伐利用区域にゾーニングする。この天然生林の連続性に配慮した上で、適地のみを針葉樹人工林の資源循環利用区域とする。
  7. 尾根筋の天然生林は、水土・生態系保全区域としてこれを維持する。
  8. 外来種については、カラマツ系を除き一切植栽しない。
  9. 狩猟は社有林内では原則禁止する。また、生物多様性の維持を阻害する林業活動以外の行為は原則行わない。
  10. 野生動植物の採取は、持続可能なレベルを超えず、不適切な活動が防止されるよう努める。

(社有林管理経営計画書より抜粋)

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